JIA渋谷2014年6月例会【ドイツキッチンを知りつくす。そして味わう。】
6月のJIA渋谷地域会例会は「学ぶ」シリーズ第2回として、新宿にあるALNO(アルノ)ショールームにて開催されました。キッチン見学と調理の実演を通して「オーダーキッチンを極める」ことがテーマです。
ALNOはドイツ最大級のキッチンメーカーであり、日本では群馬県藤岡市に流通センターと組み立て工場があります。キッチンの説明をしていただいたのは、輸入販売元であるレッカトレーディング代表取締役ポグライエン・マーチン氏。ショールーム内のキッチンについてそれぞれの特長を取り上げながら、自らのキッチンデザイン論を交えて(時には脱線しながら)説明は進行していきました。
ドイツのキッチンメーカーの特長としてあげられるのは、家具の造りの良さにあります。
抽斗、可動棚板、土台や金物など、部品の精度の高さは工業国ドイツならでは。
そこに日本の繊細な組み立て技術が融合することで、完成度の高い家具が出来上がります。
40mmある人造石の天板をささえる土台や、滑らかな動きをみせる抽斗を目の当たりにすると、
高い技術力に支えられた物造りに対する拘りが伝わってきます。
マーチン氏は特に、キッチンにおける作業性の向上や収納スペースの充実、
機能性といった部分について熱く語っていきます。
調理をする上で必要な作業スペースを大きく確保した上で、
水回りはコンパクトにまとめ、洗い作業時の負担が減るように浅いシンクを採用するなど、
オーダーする上でのデザインのポイントを紹介していただきました。
また、より多くの収納スペースを確保するために施された扉や棚板の機構の工夫、
キッチンを一つの空間として納まりよくみせるための面材目地の合わせ方など、
家具的なアイデアが多く取り込まれて造られており、積極的な提案がなされているように思いました。
これらの提案は、1万種類にも及ぶユニットやアクセサリー、パーツ類を組み合わせて製作できるキッチンメーカーの特長でもあるのでしょう。
パーツなどの技術的な説明をする、TSD代表:荒木 英碩氏
キッチンについての一通りの説明の後は、懇親会を兼ねた料理の実演となりました。
マーチン氏の奥様やスタッフの方々の協力により、料理も大変美味しくいただき、盛況のうちに終了となりました。
(個人的にはWENNEKERというジュネバにやられてしまい、その後のレポートは不能になりました。)
今年度からシリーズになりました「学ぶ」会ですが、 第2回目も大変有意義な会となりましたことを報告いたします。担当された荒木さん、平井さん、お疲れさまでした。
レポート文:古谷 賢 写真:荒木 英碩、山田 敦郎)