2019年6月例会
「究極、狭小面積ワンルーム」見学会
6/27(木)に開催された6月例会は、渋谷地域会会員である菅原賢二氏設計による集合住宅の見学会が行われました。
敷地は西武新宿線の新井薬師前駅から徒歩5分程度の場所にある閑静な住宅街。南側前面道路はかなり傾斜しています。
「敷地を3分割することで計画戸数を増やす。住戸は16~17㎡程度の狭小面積ワンルーム。管理人室、ゴミ庫や面積の大きなファミリータイプ等の設置義務にはかからないようにする。などのオーダーのもと、工事費を含め経済性をとことん追求する中での空間デザインがテーマ」ということでした。各住戸にメーターボックスを設けず、設備インフラを1箇所にまとめるということもオーダーの一つだったそうです。
それらのテーマやオーダーをポジティブに捉えて、デザインの要件として整理したらどういうことができるのか。敷地が分割された結果、それぞれの住棟間に隙間が生まれ、建築は街並みに合ったスケール感となる。隙間は建築へのアプローチや住戸の採光のための空間となり、路地的な要素を含んだ共用の空間になる。メーターボックスが各住戸にないため、共用廊下はとてもシンプルになり住戸内部もその分広げられる、など。階段や共用廊下は丁寧な設計と施工のおかげでとても豊かな共用空間となっていて、壁面を這うパイプ類までも統一されたデザインが為されていました。
土地の利用方法を含めて、集合住宅の在り方の一提案として、大変有意義な見学会となりました。
見学会終了後には駅前の焼肉屋さんにて懇親会が行われ、建築談義が続きました。