会員作品紹介【オイカ創造所 / タイムシップ柳田建築計画室】 

2025年9月例会 会員作品紹介【オイカ創造所 / タイムシップ柳田建築計画室】

日程
2025.09.25
時間
18:30-20:00
会場
南條設計室

9月例会は地域会員作品紹介として、及川会員が「青森山田こども園」と「古民家の移築」を、柳田会員が「洗足学園の改修計画」のプレゼンテーションを行いました。 

オイカ創造所 / 青森山田こども園 

青森山田こども園は、使い勝手や見た目 (デザイン)が時代に即していない点、老朽化と劣化、断熱設計について問題を抱えている既存の青森山田保育園を、5つのコンセプト[森とつながる、雪あそび水あそび、見通しが良い、井戸端カフェ、青森ビバの使用]をかかげて建替えられた建物です。これからの30年を愛されるような建物にしたいという想いから、Co2削減(2030年までに46%減)という国の方針を盛り込みつつ、国からの補助金も取得する計画となりました。 

国からの補助金を受けるために、限られた期限で完成させなければならない点や、助成金を受けてもなお精一杯のコスト管理をしながら進めなければならない状況の中で、子供達のための大切な場所を造るために、既存の保育園の扉をそのまま利用する、屋根から雪が園庭に落ちないように配慮する、園庭の小川を有効活用するなど、地域に寄り添った様々な工夫やデザイン、及川会員の建築家としての志を共有することができました。 

オイカ創造所 / 新築一戸建て・古民家の改修(町にひらくイベントルーム)

 ある家族の一戸建てと、その家族が所有していた古民家の改修計画では、古民家の木の雰囲気がよかった為、その木材を活用しながら、現代のスマートなデザインを取り入れた建物となりました。一戸建ての新築は目の前の海を見渡せる眺望を生かした建物となっていて、海に面して開かれた大きなウッドデッキは、2m程度持ち出した上部の庇の先端を60φ程度の鉄骨無垢で支持し、軽快でさわやかな雰囲気を感じさせるデザインとなっていました。 

古民家の町にひらくイベントルームへの改修では、桁下の木材がシロアリに侵食された後もあり、新たな土台でやり直すには時刻歴応答解析が必要となり、それだけで相当なコストを要することから、通常の耐震基礎とする計画となりました。もともと使用していた木材を活用した内装のデザインとなっており、新しくも町の古民家の雰囲気を残したイベントルームとなっていました。実際に町のクリエイターの展示イベントも開催でき、町にひらかれたクリエイティブな場所を提供することができていました。及川会員の町の人々に寄り添った建築家としての活動を学ぶことができました。 

オイカ創造所:https://www.oica.jp/

タイムシップ柳田建築計画室 / 洗足学園の100周年に向けた改修計画

洗足学園の100周年の為の改修計画で、柳田会員は今から30年前に依頼のあった道路を拡幅するための塀のデザインからこの計画に携わり始め、現在に至るまでに学園内の様々な建築から100周年イベントのコンテンツまで手掛けていました。創造者像の再設置においては、巨大な石の配置を検討し、実際にクレーンで石を吊り計画した位置に再配置をするという大掛かりな計画から、配置した石の形状をスキャンし、その石の形状に合わせた石道を正確にカッティングして設置するというきめ細やかなデザインまで計画されていました。キャンパス内のポケットパークの計画においては鉄骨円柱にH鋼をルーバーのように配置した屋根を形成し、その屋根にワイヤーを張り巡らせ藤の花を定着させていました。キッチンカーも配置する計画でしたので、屋根の高さもキッチンカーが通り抜けられるぎりぎりの高さ設定とし、全体のデザインにもこだわった計画となっていました。100周年記念館については当初内部インテリアを作成するというところまで手掛けるつもりだったものが、せっかく作るのであればずっと見られるようなコンテンツにしたいという想いから、コンテンツの内容も企画することになり、洗足学園にまつわるアニメーションや、溝の口の郷土史と地形や建物の変化が分かるようなグラフィック映像まで手掛けていました。30年にわたって洗足学園の改修計画に携わってきた柳田会員の建築家としての活動や、映像コンテンツまで企画するクリエイターとしての幅広い活動についてお話を伺うことができました。 

TIMESHIP タイムシップ柳田建築計画室:http://www.timeship.jp/

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