2024年6月例会

「ランドスケープアーキテクトの仕事」 講師:木田裕子

日程
2024年6月27日
時間
19:00−21:00
会場
高階澄人建築事務所

 JIA渋谷地域会の6月例会は、ランドスケープアーキテクトの木田裕子さんを講師にお迎えし、「ランドスケープアーキテクトの仕事」についてお話をお伺いしました。

 木田裕子さん略歴
武蔵野美術大学 造形学部 建築学科/東京農業大学 農学研究科造園学修士課程/オンサイト計画設計事務所勤務/育建築研究所/iku design 代表 一級建築士、一級造園施工管理技士、RLA登録ランドスケープアーキテクト

 レクチャーでは木田さんにご用意いただいた200枚ものスライドにより、4つの事例(キャンパスの中庭、雪国のホテル、大きな自然環境につながるリゾート、まちなかのオフィスビル、点在する庭のあるホテル)での設計時の考え方や具体的なデザイン手法について詳しいご説明を伺いました。環境や条件の異なるそれぞれ敷地における自然や人工の周辺環境をどのように捉え、そこで新しく創られる環境とどのように繋げていくかについて、竣工写真だけでなく計画以前状態のわかる写真との対比によりご説明いただくことにより、変化の様子を理解することができました。
 講義の終盤、木田さんからランドスケープアーキテクトの職域と実際のプロジェクトへの関わり方について、ランドスケープデザインとは建築と敷地の周辺環境をつなげるために、敷地の大外側(自然環境)から内側(人工環境)を考える視点を持つ職域であり、よって計画の当初からその専門家として関与したいと考えている、とのお話がありました。このことは、実際の多くのプロジェクトにおいて、建築計画が先行した後にそのレフトオバースペースのデザインとして外構設計がスタートする、といった決して望ましくない現状についての木田さんの明快なステートメントであり、参加していた多くの建築設計者は、より良い環境のために、協働の仕方やタイミングも考えていかなければならないことに気がつかされました。
(レポート:高階澄人建築事務所 高階澄人)

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